資金繰りを改善して経営の悪化を防ぐための方法とポイントを解説

「資金繰り悪化の原因が分からない」や「資金繰りの改善方法がわからない」などの理由で、資金繰りについて悩む経営者は少なくありません。

実際、資金繰りが悪化した状態が続けば事業の継続ができなくなる可能性があるため、原因を把握したうえで迅速な改善が必要です。

そこで、本記事では、資金繰り悪化の原因や、資金繰りの改善方法について解説していきます。

本記事を読んで、資金繰り改善の参考にしてください。

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資金繰りの改善が必要な理由

資金繰りの改善が必要な主な理由は以下の2点です。

  • 数字上は黒字であったとしても黒字倒産する可能性がある
  • 事務所の家賃、従業員への給与などが支払えなくなることを防ぐ

上記のように、資金繰りが悪化してしまうと、事業がうまくいっていたとしても、倒産してしまったり、従業員に迷惑をかける可能性があります。

こういった事態にならないためにも、資金繰りの状況を把握したうえで、悪化しないように対策を立てることが重要です。

 資金繰りが悪化する原因

資金繰りに悪化が見られる場合は、最初にやりたいことがあります。

資金繰り悪化の際にまずやりたいこととは、「原因究明」です。

原因があるからこそ、結果があります。

何らかの原因があるからこそ会社の資金繰り悪化という結果に繋がっているわけです。

資金繰り悪化の繋がっている根本的な原因は何かを最初に見つけ出すことが急務です。

病院の治療でも、不調の原因になっている病気が分からなければ処置できません。

病気を見つけ出し、その病気に合った治療をするからこそ不調が改善します。会社の資金繰り悪化を改善する場合も同じです。

資金繰りが悪化した場合は、まずは資金繰り悪化の原因を徹底的に洗い出しましょう。

その上で、原因に合った方歩で対処することが資金繰り改善の鍵になるのです。

資金繰りの悪化は放置するとさらに悪化が進むという特徴があります。放置している間に、事業に必要な資金すら捻出できない事態に陥ることも珍しくありません。ゆっくりと対処してしまったために、効果的だったはずの資金繰り改善策が功を奏さない可能性もあります。

資金繰り悪化の原因究明から改善策を打つまでの期間は短く。スピーディに。これが基本です。「資金繰りの改善方法を取っても手遅れだった」とならないように、急いで行いましょう。

資金繰り悪化の原因が「キャッシュインの減少」である

キャッシュインとは、「入ってくるお金が少ないこと」です。

会社に資金が入ってこないと、事業の継続はできません。資金とは、会社にとって会社という体を動かす酸素であり、栄養であり、血液です。会社の事業を回す上で、キャッシュインの問題を避けて通ることはできません。

キャッシュインが少ない状態とは、会社に栄養や酸素、血液が足りていない状態と同義です。資金繰りを改善するためには、会社に入ってくる資金を増やす方法を選択する必要があります。

キャッシュインの減少が資金繰り悪化になっているのは次のようなパターンです。

  1. 会社の売上が減少している
  2. 会社の費用が増加している
  3. 債権回収が思うように進んでいない

会社の売上が減少している

会社の売上が減少していると、会社に入ってくる資金は減ります。売上が減れば、当然ですが会社の資金繰りは悪化します。

たとえば、単価10万円の商品が年間1,000個売れていたが、ブームが去り年間200個しか売れなくなった。単価10万円のものが1,000個売れれば、単純計算で1億円の売上です。

しかし、200個しか売れなかった場合は2,000万円の売上になります。商品の売上が資金の流入に直結するのは明白です。

会社がひとつの商品しか扱っていなかった場合や主力商品ひとつで事業を回している場合は、売上減少の資金繰りへの影響はより大きなものになるのです。

会社の売上が減少していることにより資金繰りが悪化している場合は、扱い商品の取捨選択、商品単価の見直しや販路拡大など、売上アップに繋がる方法での資金繰り改善が考えられます。

会社の費用が増加している

商品のための仕入れや固定費などが増加し、結果として会社の血や栄養である資金の流入を阻害していることがあります。

単価100円の商品を作るために単価90円の材料を仕入れると、ほぼ売上はありません。

そのため、費用の削減や仕入先の見直し、固定費削減などの、会社負担の費用の見直しや改善策を講じる必要があります。

債権回収が思うように進んでいない

売掛債権の未回収分が資金繰り悪化の原因になっているケースがあります。

売掛金が日付通りにスムーズに入ってくればいいのですが、取引先によってはルーズであったり、業績悪化により売掛金を払えなかったりすることがあります。

債権の回収が進まないということは、資金が入ってこないということです。資金が入ってこなければ、いくら債権を持っていても資金繰り悪化は免れられません。

売掛債権の未回収や回収難航が資金繰り悪化の繋がっている場合は、債権回収などの改善策を講じる必要があります。

資金繰り悪化の原因が「キャッシュアウトの増加」である

キャッシュアウトとは、「資金が手もとから出て行くこと」を意味します。キャッシュアウトが資金繰り悪化の原因になっているパターンは次の通りです。

  1. 過大な在庫を抱えている
  2. 不要な設備投資を行っている
  3. 不良資産を多く抱えている
  4. 早期の支払いや返済を行っている
  5. 前払金などが増加している

過大な在庫を抱えている

商品の在庫を作るためには、あらかじめ仕入れて商品というかたちにしておく必要があります。

しかしその在庫が売れなければ「材料には出費したが売上が入ってこない」という状態になってしまうのです。

過大な在庫を抱えている場合は、出費だけで収入がない状態と同義になります。

在庫をストックする倉庫などのための出費も必要です。保存のための費用も手もとから出てしまう状態なので、流入は極めて少ないが出て行く分は多いという状態に他なりません。

在庫状況を見直すなどの対処法で資金繰り改善を試みる必要があります。

不要な設備投資を行っている

不要な設備投資が資金繰り悪化の原因になっていることがあります。

設備投資をすると、それだけ設備のために拠出する資金が多くなります。

売上が上がって、商品の製造が追いつかない。長期的な事業計画を見据えた上での有効な設備投資である。このようなケースならむしろ資金繰りにプラスになる可能性も高いのですが、会社の事業や売上と不釣り合いな設備投資や、闇雲な設備投資は、資金繰りにとってはマイナスの影響になる可能性が高いのです。

会社の設備を見直し、適切な対処を行うこと。以上のような改善策を検討し、資金繰りにとってプラスの状況へと改善することが急務です。

不良資産を多く抱えている

事業を回す上で発生した債権をスムーズに回収できなかった場合、回収の見込みのない債権になってしまうことがあります。また、回収が非常に困難な債権や、帳簿価格よりかなり下落した債権になってしまうこともあり、会社の悩みの種になるのです。

回収見込みのない売掛金などを多く抱えていると、物は出て行ったが資金は流入しないという状況になります。会社の事業継続にとっても、資金繰りにとっても、大きなマイナスです。不良債権の処分などの手段で対処する必要があります。

早期の支払いや返済を行っている

借りた分は早く返したい。仕入れの分は早く支払ってしまいたい。

経営者や担当の考えによっては、会社が期限より早すぎる支払いや返済を行っているケースがあります。

性格的に早期の返済や支払いをしたい経営者や担当もいますし、その気持ちが理解できないわけではありません。しかし、早期の支払いや返済は会社の資金繰り悪化の一因になる可能性があるため、注意が必要です。

たとえば、期限まで数カ月ある支払いをすぐにしてしまった場合。この場合、予定より早く資金が流出してしまったことと同義です。会社の資金流入とのバランスが取れていない場合、早期の支払いや返済によって社内の資金バランスが崩れてしまい、一気に資金繰りが悪化することがあります。

そのタイミングでの資金流出が本当に必要か、よく考えることが重要です。

前払金などが増加している

会社が事業を回す上で、仕入代金の一部や全部を取引先へと先に差し入れることがあります。

予定通り取引先から材料などが入ればいいのですが、先払い分だけ出ていって、後から商品の材料が入ってこなかったなどの事態になると、会社の資金は大きな打撃を受けます。

資金繰り悪化の原因として特に気をつけたいのが、前払金などが増加しているケースです。

先に支払う分だけ増加していると、会社の資金は流出しているが、その流出に見合ったものが入ってきていない状態になります。会社の資金繰りとしては不健康な状態です。

前払金などの状況は常に把握しておくことが必要です。取引先への支払いの見直しなど、取れる手段で改善を試みることが重要になります。

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資金繰りの改善方法

資金繰り悪化の原因を把握した後は、改善策を講じる必要があります。

しかし、改善方法にはさまざまな方法があり、悪化原因に合わせた方法を行うことが重要です。

ここでは資金繰りの方法について解説していくので、内容をよく理解するようにしましょう。

会社の売上を増加させる

会社の売上を増加させることで、資金流入が増えるため、資金繰りも改善します。

とはいえ、売上が簡単に増加できるなら、資金繰りを悪化させる事態にはなっていないでしょう。

確実に売上を増加するには、的確な対策が必要です。

売上を増加させる方法を3つ紹介していくので、参考にしてください。

取扱商品の見直し

取り扱っている商品を見直すことで、売上を増加させることができる可能性があります。

例えば、取扱商品の単価を見直してみてください。

仕入れや製造のコストに対して商品単価が見合っていないことで、売り上げが伸びていないケースもあります。

仕入れ値や製造のコストがいくら掛かっているのかを確認し、競合商品の相場価格も確認したうえで、販売価格を見直すようにしましょう。

利益の出ていない商品の販売をやめる

取り扱っている商品の単価や利益率、販売数を確認し、単価に対してコストが高いものや売れていない商品の販売をやめるという方法もあります。

売上への貢献度が低い商品を早期にやめることで、その分だけ貢献度の高い商品の販売に専念することが可能なため、結果的に売り上げを向上させることが可能です。

広告を利用して新規顧客の開拓

広告などを利用して新規顧客を開拓することも売上改善につながります。

新しい販路が増えることで、見込み客が増え、商品の販売数が増加するためです。

新規顧客を開拓できる余地があるのなら、積極的に開拓するようにしましょう。

ただし、広告にはSNSやインターネットなどさまざまな方法があるので、販路の拡大に適した宣伝方法を選択することが重要です。

経費の見直しを行う

会社の経費を見直すことで、資金繰りの改善が期待できます。

経費を削れば会社に残る資金が増えるためです。

では、どういった方法で経費を見直せばいいのでしょうか?

それは以下の4つの方法です。

  • 現在の経費の状況を確認し、余分な支出を削る
  • 過大な負担となっている経費の見直しをする
  • 利益に対してコストが過大でないかをチェックする
  • 仕入れ費用・固定費・人件費などの各分野を細かに見直す

上記の方法で、会社の経費削減を進めていくことで、無駄な経費を洗い出して資金繰りを改善できます。

また、特定の事業の利益がマイナスであったり、利益が低かったりするケースは、その事業自体から撤退することも、資金繰りを改善するために視野に入れてみてください。

未回収の債権を回収する

未回収の債権を回収することで、資金が増えるため、資金繰りの改善につながります。

一方で、未回収の債権がたまっていると、資金の流入がストップしている状態であるため、資金繰りに悪影響を与えかねません。

このため、未回収の債権がある場合には、資金繰りの悪化を防ぐためにも、可能な限り迅速に債権を回収することをおすすめします。

ただし、売掛金などの回収が困難な取引先や支払いをしない取引先に対しては、相応の債権回収手段を行う必要があることを覚えておきましょう。

厳しい回収をしてしまうと、取引先との関係が悪化する可能性もありますので、十分な注意が必要です。

とはいえ、資金繰りが上手くいかないと、最悪の場合、会社自体が事業継続不能に陥る可能性もあるため、 場合によっては厳しい態度で債権の回収に乗り出さなくてはならないケースもあるでしょう。

そういった際は、以下のポイントを押さえたうえで債権を回収するようにしてください。

  1. 督促はこまめに行う
  2. 訴訟などの法的な手段も状況に応じて利用する
  3. 社内で債権回収のマニュアルを整えておく
  4. 弁護士などに債権回収の相談ができる体制を整える

取引先の契約を見直す

会社の資金繰りを改善するためには、会社の事業のパートナーでもある取引先との契約について見直すことも必要になります。

契約を見直すことで、手元に資金を残すことができる可能性があるためです。

それでは、取引先と契約を見直す際の4つのポイントについて紹介していきましょう。

資金繰りの改善できずに困っている方は、参考にしてください。

売掛金の回収期日を早める

取引先との契約において、売掛金の支払い時期やスパンを見直すことで、資金繰りの改善につながります。

売掛金が早期に回収できて、会社へ入金されれば、手元にある資金を増やせるためです。

とはいえ、すべての取引先に売掛金の回収時期を早めるように交渉すると、取引を中止する取引先が出てくる可能性があります。

そのため、契約を見直す際は、他の取引先と比較して、売掛金の回収時期が長い会社をターゲットにするようにしてください。

「他社と比較して回収時期が長いので、回収時期を早めたい」という理由が明確であるため、相手も納得してくれる可能性が高いです。

支払い期日を延ばす

買掛金の支払期日を延ばせれば、手元に残る資金を増やすことができます。

そのため、資金繰りを改善したい場合は、買掛金をどれくらいの期間で払い込んでいるかを、徹底的に洗い出すようにしましょう。

洗い出したうえで、支払い期限を短く設定している取引先などに対しては、契約の変更や見直しを交渉します。

この際、契約の見直しに同意してくれず、さらに協力しようとする態度が見られない場合は、取引を継続しないことも選択肢に入れておくことが重要です。

あまりに短期に買掛金などの支払いを求められる場合、支払いによって資金繰りが悪化しやすく、支払い計画も立て難いため、取引をやめたほうが資金繰りの改善につながる可能性が高くなります。

仕入れ価格の見直し

商品の製造などに使う材料の仕入れ価格や、取引先との仕入れの契約を見直すことも、資金繰り改善につながります。

「昔から取引をしていたため、多少高くても取引を続けていた」というケースや、「材料の相場から見て、やや高い価格で契約している」などのケースがあるためです。

そういった場合は、仕入れ価格の相場や契約状況の確認、実際の仕入れにかかる費用を見直し、問題がある場合には、取引先の変更や交渉などを行うことで改善できます。

ただし、仕入れ価格に問題がない場合に、根拠も説得材料もない状態で値下げ交渉をしてしまうと、取引先からの印象が悪くなってしまうので要注意です。

そういった事態にならないためにも、しっかりと調査を行い、値下げ交渉ができるだけの根拠を集めることが重要になります。

新しい取引先を見つける

新しい取引先を見つけることで資金繰りの改善につながります。

契約の内容を、現在の取引先よりも有利な条件で契約を結ぶことで、手元に資金が残るようになるためです。

具体的には、支払いの期日が長い取引先や、仕入れ価格が安い取引先を積極的に見つけるようにしましょう。

このように、相場価格や他社の支払い期日などを分析して、現在の取引先に問題がある場合には、新しい取引先を探すことで改善できる可能性があります。

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ファクタリングサービスを利用する

ファクタリングサービスとは、ファクタリング会社に売掛債権を買い取ってもらい、最短数時間で現金化できるサービスのことです。

未回収の債権をすぐに現金化できるため、資金を増やすことができ、資金繰りの改善につながります。

ただし、ファクタリングサービスは、ファクタリング業者に対する手数料がかかるため、回収できる売掛金の金額が減少してしまうことも知っておかなくてはなりません。

ファクタリングサービスを利用する際は、本当に短期間で資金が必要な場合や、短期間で債権を回収したい場合などに、限定するようにしましょう。

また、近年、違法なファクタリングサービスが増えていることにも注意が必要です。

違法なファクタリングサービスは手数料が年率換算すると数百~千数百%と高くなっており、利用してしまうとかえって資金繰りが悪化してしまいます。

そのため、ファクタリングサービスを利用する際は、手数料率の低い正規のファクタリングを使用するように、手数料率には特に注意を払ってください。

約束手形を手形割引で現金化する

手形割引とは、約束手形を支払期日が来る前に銀行や手形割引事業者で換金するサービスです。

ファクタリングサービスと同様に短期間で資金を得ることができるため、資金繰りの改善につながります。

ただし、手数料がかかり、本来得ることができた資金よりも少なくってしまうので、注意が必要です。

なお、割引手形が不渡りになると、買い戻しの義務が発生することも覚えておきましょう。

不良在庫や設備を処分する

設備の維持管理や在庫保管などで資金繰りが悪化している場合は、在庫や設備を処分することも効果的な資金繰り改善方法です。

社内に不要な設備や過剰な在庫を抱えていると、在庫管理や保管、設備の維持管理において大きな負担が発生し、無駄な資金を支払うことになります。

そういった事態を防ぐためにも、在庫の処分や設備の処分する際は、「不要なもの」と「必要なもの」を厳しい視点で仕分けるようにしてください。

なお、仕訳をした後は、そのまま処分するのではなく、可能なかぎり設備の売却金などの資金が会社に入ってくるように処分方法を検討するようにしましょう。

借入の一本化や乗り換えを行う

借入の一本化や乗り換えを行うことで、資金繰りの改善が見込めます。

多数の金融機関から借入を行っていると、各金融機関もリスクの観点から、金利を高くせざる得ないためです。

一方で、現状の借入を1つまたは少数の金融機関にまとめることで、低金利で借り入れられる可能性が高まります。

返済の複雑化も解消して、社員の労務削減にもつながり、人件費の削減にもつながる可能性があるので、ぜひ検討してみてください。

金融機関から借入金の金利交渉や返済方法交渉する

金融機関に対して、借入金の返済条件の交渉をすることも、資金繰りの改善につながります。

たとえば、月次返済額の減額、返済期間の繰延、元金返済を一次猶予してもらうなどの交渉を行うことで、返済する資金を一時的に減らすことができるためです。

なお、金融機関と交渉を行う際は、資金繰り悪化について素直に説明するようにしてください。

現在の状況を素直に伝えることで、金融機関も交渉に応じてくれる可能性が高まるため、ごまかさずに説明するようにしましょう。

ただし、資金繰りの改善が見込める状況でなければ交渉に応じてくれない可能性が高いため、資金繰りの改善ができる根拠を示せるように準備しておくことが重要です。

日本政策金融公庫などの政策融資の利用を検討する

日本政策金融国庫には、中小企業向けのセーフティネット貸付があります。

それを利用することで、資金繰りの改善が可能です。

なお、中小企業向けのセーフティネット貸付には、以下のものがあります。

名称 対象者
経営環境変化対応資金 社会的・経済的環境の変化により、売上や利益が減少するなどして、業況が悪化している方
金融環境変化対応資金 金融機関との取引状況の変化により、資金繰りが悪化している方
国際的な金融不安・経済環境の変化を背景に取引金融機関から借入残高の減少などの取扱いを受けている方
取引企業倒産対応資金 関連企業の倒産によって経営に困難を来している方

上記の条件を満たしている場合は、利用できる可能性があるので、利用を検討してみてください。

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コロナ融資の利用を検討する

日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付や自治体のコロナ融資などを利用して資金繰りの悪化を改善する方法もあります。

ただし、コロナ融資は、新型コロナウイルスが原因で資金繰りが悪化した方でないと利用できません。

また、売上の減少幅などの条件が設けられているので、利用する際は日本政策金融国庫や自治体に問い合わせるようにしてください。

助成金、補助金などの活用を検討する

助成金や補助金を活用して、一時的に資金繰りを改善する方法もあります。

たとえば、以下のような補助金があります。

  • 「ものづくり補助金」:補助金額500万円~3,000万円
  • 「創業・第二創業促進補助金」:補助金額200万円~1,000万円
  • 「小規模事業者持続化補助金」:補助金額50万円~500万円

ただし、補助金や助成金は資金繰り改善を目的としたものではありません。

設備投資や従業員への投資などに利用することを前提としているので、目的のために資金を利用する必要があります。

このため、一時的に資金繰りの改善することは可能ですが、基本的には資金繰り改善を目的として利用することはおすすめしません。

節税方法を知り税金の支払い時期を確認する

節税方法を知り税金の支払い時期の確認をすることは、資金繰り改善に有効な方法のひとつです。

例えば、税金の支払い日を把握しておくことで、急な納税による資金繰りの悪化を避けることができます。

税金の支払い期日に合わせて、税金納付にあてる資金プールが可能になるためです。

また、「経費を生み出して税金を少なくする」という節税方法を行っている場合には、この方法を見直すことでも、資金繰りの改善が可能になります。

無駄に経費を増やすなどの節税は、手元に資金が残らないため、資金繰りにとっては悪影響であることを覚えておきましょう。

会社の事業整理を行う

会社でいくつかの事業を手掛けている場合、不採算事業からの撤退や事業売却を検討する方法もあります。

不採算事業がすでにマイナスになっている場合は、その事業から撤退することで、さらに資金繰りが悪化するのを防ぐことが可能です。

一方で、マイナスは出ていないが不採算の事業である場合は、該当の事業から撤退することで、資金繰りに悪い影響が出ないように防ぐことができます。

このように、会社の事業を見直し、プラスとマイナスの事業、マイナスになる可能性がある事業などを厳しく仕分けて整理するようにしましょう。

ちなみに、不採算事業やマイナスになる可能性がある事業は、他の会社に事業を売却できる可能性があります。

仮に事業を売却できれば資金調達もできるため、資金繰り改善にはさらなるプラスです。

また、M&Aなどを検討する方法もあります。

将来的な利益につながりそうなM&Aや、得意分野を伸長するためのM&Aを検討することによって、将来的な利益につながるためです。

不要な事業を整理するのと同時に、必要な部分を伸ばし成長させることが資金繰り改善のポイントになることを覚えておきましょう。

外注やアウトソーシングを活用する

外注やアウトソーシングを活用することも、資金繰りの改善につながります。

利用することで、業務量に応じたコストに調整できるうえに、社会保険料の負担がなく、経費の削減につながるためです。

ただし、任せる業務によって支払う費用が大きくなってしまうため、費用対効果をよく検討することが重要になります。

リースを活用する

リースを活用することも資金繰りの改善につながります。

利用することで、利息の負担がかかるものの、投資時点の一時的な資金負担を抑えることができるためです。

手元に投資できる資金がない場合は、資金繰りの悪化を防ぐためにもリースを検討してみてください。

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資金繰り改善ポイント

資金繰りを改善するためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

  • 入出金を明確にする
  • 実績と予定を明確にする
  • 資金繰り表を作成する

それぞれについて説明していくので、資金繰りを改善する際の参考にしてください。

入出金を明確にする

入出金を明確にし、会社が有する現金を改めて把握することは、資金繰りを改善するうえで非常重要です。

販売と入金、仕入れと支払いのタイミングは、同時ではなくズレが生じるため、損益通算表だけでは今いくらあるのかがわかりません。

そのため、資金の流れを把握するために、入出金を明確にしておくようにしてください。

実績と予定を明確にする

資金の流れを実績と予定に分類することで「実際に手元にある資金」と「入る予定の資金」を把握できます。

それぞれ把握していれば、資金繰りが悪化する可能性のある無理な投資や仕入れを防げるはずです。

会社の販売と入金、仕入れと支払いのタイミングは、同時ではなくズレがあるため、正確に管理しておかないと、一見問題ないように見えても資金繰りが悪化しているということに気付けません。

資金繰りの悪化に気づかないことがないように、実績と予定を明確にするようにしましょう。

資金繰り表を作成する

資金繰り表とは、「ある期間のすべての現金の入出金を分類したうえで集計し、現金収支の動きや現金過不足の実態などを把握できるような表」のことです。

この「資金繰り表」は、資金繰りの改善を行うために非常に役立ちます。

作成することで、資金の流れがわかり、現在の資金繰りに問題がないのかの把握が可能なためです。

損益計算書上では、利益出ていたとしても手元に残る資金はわからないため、必ず作成するようにしましょう。

まとめ

資金繰りが悪化している場合は、早期かつ慎重に取り組む必要があります。

そのためにも、資金繰り悪化の原因を突き止めて、適切な方法で資金繰りを改善することが重要です。

資金繰りが悪化して困っている方は、この記事を参考にしてください。

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