会計に関する情報処理サービスの利用者を対象として、インターネット上で申込みから融資の実行までが完結する事業者向けの貸付けの仕組みが、複数の金融機関により提供されております。会計に関する情報処理サービスに蓄積された取引の記録を審査に用いることにより、決算書の提出を要しない、又は担保及び保証を要しないことを特徴とするものでございます。
本ページは、特定の金融機関の商品を推奨するものではございません。この類型の貸付けがどのような仕組みであり、どの場面において選択肢となり得るか、及び契約の締結に際して確認すべき事項を、法律事務所の立場から整理するものでございます。個別の商品の内容、金利、限度額及び手数料は、各金融機関の公表資料により御確認ください。
この類型の貸付けの仕組み
従来の事業者向けの貸付けにおきましては、決算書及び試算表の提出を受け、金融機関の担当者が審査を行うのが通例でございました。これに対し、この類型の貸付けは、申込者が利用している会計に関する情報処理サービスの取引の記録に、申込者の同意に基づいて金融機関が接続し、当該記録を審査の資料として用いるものでございます。
この仕組みにより、次の特徴が生じます。
| 特徴 | 内容 | 利用者にとっての意味 |
|---|---|---|
| 手続がインターネット上で完結する | 申込み、審査、契約及び実行を電磁的方法により行います | 来店を要せず、実行までの期間が短くなります |
| 決算書の提出を要しない場合がある | 会計に関する情報処理サービスの記録により代替いたします | 書面の準備の負担が軽減されます |
| 担保及び保証を要しない場合がある | 無担保かつ無保証を条件とする商品がございます | 経営者保証を提供せずに借り入れられる場合がございます |
| 限度額が比較的小さい | 数百万円から1,000万円程度を上限とする例が多うございます | 大口の設備投資には適しません |
| 金利が銀行の証書貸付けより高い傾向がある | 審査の簡略化及び無担保であることの反映でございます | 短期の運転資金に向きます |
他の資金調達の手段との比較
| 手段 | 実行までの期間 | 費用の水準 | 適する場面 |
|---|---|---|---|
| 金融機関の証書貸付け(信用保証協会の保証付きを含みます) | 数週間から2か月程度 | 最も低うございます | 設備投資、長期の運転資金 |
| 日本政策金融公庫の融資 | 数週間から2か月程度 | 低うございます | 創業、事業の再構築 |
| 当座貸越し又は手形貸付け | 枠の設定後は随時 | 低うございます | 季節による資金の変動 |
| 本ページの類型(インターネット完結型の事業者向け貸付け) | 即日から数営業日 | 中程度でございます | 短期のつなぎ資金 |
| 売掛債権の譲渡(ファクタリング) | 即日から数営業日 | 高くなる傾向がございます | 売掛債権が確定している場合 |
| 既存の借入金の条件の変更 | 数週間から数か月 | 新たな費用は生じません | 返済の負担が過重である場合 |
実行までの期間が短い手段ほど費用が高くなるのが一般でございます。急ぐという理由のみで手段を選ぶのではなく、必要な金額、必要な時期及び返済の見通しを整理したうえで比較することが肝要でございます。資金調達の手段の全体像につきましては、資金調達の方法とそれぞれのメリット及びデメリットを御覧ください。
契約の締結に際して確認すべき事項
- 貸付けであるか、債権の譲渡であるか 貸付けであれば利息制限法の適用がございます。売掛債権の譲渡と称しながら実質的に貸付けと評価される取引につきましては、事業者向けの貸付けに関する解説を御参照ください
- 金利の表示 年率による表示であるか、月率又は手数料としての表示であるかを確認いたします。実質年率に換算して比較いたします
- 遅延損害金の利率 利息制限法第4条による制限を超えていないかを確認いたします
- 経営者保証の要否 無保証と表示されていても、契約書において連帯保証が求められる場合がございます。契約書の署名欄を確認いたします
- 期限の利益の喪失事由 どのような場合に一括の返済を求められるかを確認いたします
- 会計に関する情報処理サービスの記録の取扱い 金融機関がどの範囲の情報に接続し、どの目的に用い、いつまで保有するかを、同意の書面により確認いたします
- 他の借入金の契約への影響 既存の金融機関との契約において、他からの借入れに事前の承諾を要する旨の定めがないかを確認いたします
- 繰上返済の可否及び手数料
この類型を選ぶべきでない場面
- 既に返済が滞っている場合 新たな借入れにより返済を続けることは、負担を先送りするにとどまります。返済の条件の変更(リスケジュール)の協議を先に行うべきでございます。銀行融資の条件変更に関する解説を御覧ください
- 債務超過が継続している場合 私的整理又は法的整理を含めた検討を要します
- 設備投資の資金である場合 返済の期間が短く、資金の性質に適合いたしません
- 金額が限度額を大きく超える場合 複数の借入れを重ねることは、管理を困難にいたします
当事務所の関与
当社は、資金繰りの改善を要する事業者様に対し、手段の比較、金融機関との協議の設計及び契約書の確認を御支援いたしております。特に、実質的に貸付けと評価され得る取引、経営者保証の要否、既存の契約との抵触につきましては、契約の締結の前に御相談いただくことをお勧めいたします。契約書の審査その他の法律事務は、弁護士法人M&A総合法律事務所において承っております。
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なお、契約書の審査、実質的に貸付けと評価され得る取引への対応、経営者保証その他の法律事務につきましては、弁護士法人M&A総合法律事務所において承っております。





































































