資金繰りの改善|資金ショートを防ぐ方法と、返済が困難になった場合の選択肢

資金調達だけでは資金繰りは改善しません

資金を調達しても、資金が流出する構造が変わらなければ、いずれ同じ状態に戻ります。むしろ、返済の負担が加わる分、状況は悪化します。

資金繰りの改善のためには、調達と並行して、入出金の構造そのものを見直す必要があります。

まず資金繰り表を作成してください

資金繰りの改善は、現状の把握から始まります。損益計算書上は利益が出ていても、資金が不足することは珍しくありません。利益と現金の動きは一致しないためです。

資金繰り表には、少なくとも次の項目を、月次で6か月から12か月先まで記載します。

  • 売上の入金(回収の条件に従った時期)
  • 仕入及び外注費の支払
  • 人件費、家賃、リース料等の固定費
  • 税及び社会保険料の納付
  • 借入金の返済(元本と利息を区分します)
  • 設備投資その他の臨時の支出

改善の方向

  • 回収の早期化 支払条件の交渉、前受金の導入、請求の遅延の解消
  • 支払の平準化 支払条件の交渉、支出時期の分散
  • 在庫の圧縮 滞留在庫の処分、発注の見直し
  • 固定費の見直し 賃料、リース料、保険料等の再交渉
  • 不採算部門の整理 部門別の損益の把握が前提となります
  • 遊休資産の売却 利用していない不動産、車両、有価証券等

返済が困難になった場合

借入金の返済が困難となった場合には、返済条件の変更(リスケジュール)を金融機関に申し入れることが考えられます。元本の返済を一時的に猶予し、利息のみの支払とする方法が一般的です。

申入れに際しては、経営改善計画を提出し、いつまでに、どのように収益力を回復させるのかを説明する必要があります。単に返済を待ってほしいという申入れでは、応じられません。

なお、返済条件の変更を行った場合、その後の新規の融資は受けにくくなります。実施の当否は、その点も含めて判断する必要があります。

不動産を担保としている場合

不動産を担保として借り入れており、返済が困難となった場合には、競売の申立てを受ける前に任意売却を検討する余地があります。

任意売却は、競売と比べて売却価額が高くなる傾向があり、結果として残る債務が少なくなります。また、引渡しの時期についても協議の余地があります。

ただし、担保権者の同意が必要であり、時間的な余裕がなければ実施できません。競売の申立てを受けた段階では、選択の幅は狭まります。

それでも行き詰まった場合

資金繰りの改善と返済条件の変更によっても事業の継続が困難な場合には、私的整理、民事再生、特別清算、破産といった手続を検討する段階に入ります。

これらの手続は、いずれも早い段階で着手するほど選択の幅が広く残されています。資金が完全に尽きてからでは、手続に要する費用すら賄えない事態も生じます。

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